2013年8月31日土曜日

ロック漫画 『Eから弾きな。』が面白い!ギタリストにおススメです!



 激しいビートを熱いハートが貫くロックマンガで、この1、2年、青年誌連載を中心にユニークな新作が目立つ。

 多彩な作品の中から、未来の“マンガスター”が出てくるかもしれない。

 「ギター超初心者入門」と音楽教本と見まがうような帯が付いたのが、佐々木拓丸『Eから弾きな。』(講談社)だ。ようやく定職についた27歳の神谷三蔵は誤解から、社長の娘、フミのアマチュアバンドのギタリストに指名されてしまう。興味も経験もない彼は一月で、エレキギターを習得し、ライブに出られるのか。


 ロックマンガは、元祖と言われる水野英子『ファイヤー!』(1969~71年)から近年のヒット作、ハロルド作石『BECK』まで、音楽の世界でのし上がってゆくサクセスストーリーが定番。『Eから――』の担当編集者、一宮大介さんによると、「『BECK』と同じことはできないので、まったくの素人がやる新しさで勝負しよう」と始まったという。楽器の調整の仕方や最も簡単なEコードの押さえ方などギター初心者向けの解説も豊富。基本はコミカルだが、「演奏はうまくないけれどカリスマになったシド・ヴィシャスのように、ロック・スピリットは音より生き方。作者もそこにこだわっている」(一宮さん)。

 1巻目が出たばかりの信濃川日出雄『少年よギターを抱け』(集英社)は、札幌の高校に入学しスターを目指す16歳の女子高生、真琴がヒロイン。バンドのメンバー募集から始める彼女自身は素人だが、冒頭から世界的アーティストや夭逝ようせいした天才ギタリストの弟が絡み、初々しくも派手さのある青春ストーリーだ。



 一方、室井大資『エバタのロック』(小学館)は、名を成したロックスターの生き方をギャグに転化させた。1980年代から活動を続ける伝説の男・エバタは、「ウエルカム!トウ…マイ・リビング!!」とステージでステーキを食べたりビデオを見たりとやりたい放題。
 「ロックスターの派手な格好や奇行は、カッコよさと嘲笑の間のぎりぎりのところにある」と担当編集者の豆野文俊さん。ファッションにこだわり巨大なスタジアムを衣装として着てしまうなど各所で笑えるが、最後には、筋を曲げないエバタがカッコよく見えてくるから不思議だ。


 CDの売り上げはピークの1998年に比べ今は半減。アイドル全盛で、ロックには苦しい時代に思える。その中でロックマンガの新しい風が吹いているのはなぜだろう。マンガ家にロック好きが多いのも一因のようだが、元音楽雑誌編集者でもある豆野さんは言う。「ロックフェスも盛り上がっているし、ギターも依然、人気がある。ロックへの接点がたくさんある中で、読者のパイも増え、みな新しい切り口でロックの魅力を表現しようとしているのでは」

■情報元:読売オンライン

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