2013年3月30日土曜日

ボーカルバッキングの名手ギタリスト「ケニー・バレルとラッセル・マローン」

ギターはソロをとれる楽器ですので派手な部分ばかり目が行きがちですが歌のバッキングでセンスとテクニックを披露したジャズギタリストを紹介します。

ジ・エッセンシャル・ビリー・ホリデイ ケニー・バレル(g)

曲目リスト
1. ナレーション
2. レディー・シングス・ザ・ブルース
3. イット・エイント・ノーバディ・ビジネス
4. ナレーション(トラヴェリン・ライト)
5. ナレーション
6. プリーズ・ドント・トーク・アバウト・ミー・ホエン・アイム・ゴーン
7. アイル・ビー・シーイング・ユー
8. アイ・ラブ・マイ・マン
9. ボディ・アンド・ソウル
10. ナレーション
11. ドント・エクスプレイン
12. イエスタデイズ
13. ナレーション
14. マイ・マン
15. アイ・クライド・フォー・ユー
16. ファイン・アンド・メロウ
17. アイ・カバー・ザ・ウォーターフロント
18. 月光のいたずら

ケニー・バレルが活躍した時代は多くのギタリストがホーンライクに早弾きをしていたのとは違いケニー・バレルは都会的な洗練されたカッコよさを漂わせていたギターを聞かせていました。粋で渋くてブルージーなセンスはボーカルの後ろにまわるといっそう光り輝いた。ビリー・ホリデイと競演した「ジ・エッセンシャル」は彼のギターバッキングの真骨頂が聞けます。控えめに聞えるそのプレイは歌の合間に絶対に裏切らない粋なフレーズを挟んでくる。出し引きの間を知り尽くした大人のギタリストのなせる業でしょうか、けしてボーカルの邪魔をするのではなくそれでいて全体をケニー・バレルのセンスで包んでしまう。粋なギタリストです。

ギタリストにおススメの音楽再生アプリ「StagePass」


iPhoneは音楽プレイヤーでもあるのでギタリストの皆さんもiPhoneで音楽を楽しんでいる方も多いと思います。iPhone標準のミュージックプレイヤーも良いのですが面白いプレイヤーアプリをご紹介いたします。

筆者のメインヘッドホーンはソニーのMDR-CD900STです。定番中の定番でプロのレコーディング現場でも使用されているもので原音のイメージをそのまま再現するピュアな音質、クッキリとした輪郭と音像が特徴。ストレートでニアーな音質はスタジオモニターやDTMでのモニターに最適なヘッドホーンです。筆者はこのヘッドホーンを使用して「StagePass」という音楽再生アプリでよく音楽を聴いています。

「StagePass」は原音を忠実に高精度で再現するというような超高音質をうたう音楽プレイヤーではありません。「StagePass」は実在する54のライブハウスの会場の大きさや音の広がり方、音像感がなど全ての会場音の雰囲気を再現するアプリです。 沢山の会場が収録されていますので、どのライブハウスでどのアーティストの音楽を聴こうかを選択するのがとても楽しい音楽プレイヤーです。会場から選んでもよし、アーティストから選んでも良しその音楽にあった会場が見つかるはずです。

2013年3月29日金曜日

フラメンコギターを洗練させた不世出の名人「サビーカス」


本名アグスティン・カステジョン・カンボス。1912年スペイン北部のパンプローナ市でジプシーの家系に生まれる。フラメンコの本場アンダルシア地方の出身ではないのが面白いところです。幼いころからギターを弾き始め7歳の時には人前で演奏するほどのテクニックを身につけていた。10歳でマドリッドに出てエル・ドラード劇場にてソリストとして大成功をおさめている。20歳のころにはニーニャ・デ・ロス・ペイネスやホセ・セペーロなどのスター歌手の伴奏をしレコーディングも経験しています。スペイン戦争のころ、カルメン・アマージャ舞踏団と共にブエノスアイレスに渡り1950年~55年にはメキシコ、55年からはアメリカのニューヨークに移り住み数多くのソロレコードの発売やコンサート活動により世界的な名声を得ます。アメリカ大統領のルーズベルトに招かれてホワイトハウスで演奏したのもこの頃の事です。1967年スペイン政府より「スペインを代表するギタリスト」として金賞を受賞するため30年ぶりに帰国、国賓級の扱いを受けたとの事です。しかし残念ながら1990年母国スペインから遠く離れたニューヨークにおいて78歳の生涯を閉じることになります。歌や踊りの伴奏のためのフラメンコギターをソロ楽器として確立させたのはラモン・モントーヤですがサビーカスはそれをさらに発展させ世界的な規模で広げていきまいした。彼は当時としては誰をも寄せ付けないほどのテクニックをもち豊かな創造力で数多くのソロギター曲を作り、後世のギタリストに多大な影響を及ぼした偉大なフラメンコ・ギタリストです。

2013年3月28日木曜日

次期iosに搭載か?Appleが事実上公認した「Audiobus」

Appleのキラーアプリの1つGarageBandがAudiobusに対応したことにより、この画期的なアプリ「Audiobus」をAppleが公認したと思えます。 もしかしたら次期iOSには「Audiobus」が標準装備されるかもしれませんね!でも少し時期尚早でしょうか? パソコンの音楽の世界でもReWireという規格がよく使われていますが、それに近いことをiOS機器で実現できるようになったと言うことです。Youtubeで見かけた「Audiobus」の動画を紹介します。

Audiobus Introduction

フラメンコ・ギターの真価を知らせる先駆者「ラモン・モントーヤ」


ラモン・モントーヤは1880年マドリッドのジプシーの家に生を受ける。幼くしてギターをはじめ14歳という若さでギタリストとして活動を始める。ラモン・モントーヤはエル・カニートというギタリストにギターを習ったといわれています。その後, 地元のフラメンコ店に出演しながらテクニックを磨き当時のフラメンコ界のスター歌手アントニオ・チャコンに認められ名伴奏者として活躍、数多くのフラメンコのレコードを録音しました。従来、歌や踊りの伴奏をするためのフラメンコ・ギターにラモンはクラシック・ギターのテクニックのトレモロや多彩なアルペジオそしてスケール演奏などを積極的に取り入れ表現力を高めました。今のフラメンコギターのスタイルはラモン・モントーヤが礎を築いたと言っていいでしょう。 1936年フランスで録音したギターソロによる16曲のフラメンコ曲は当時伴奏楽器だったフラメンコ・ギターを独奏楽器まで高めた彼の最大の偉業です。ラモン・モントーヤはフラメンコ・ギターがソロ・ギターとして成立するための道を切り開いたギタリストです。この延長線上をサビーカスやパコ・デ・ルシアが歩んでいるのです。

2013年3月27日水曜日

ギタリストの練習スタイルを大きく変えるツール ヤマハ iOSアプリケーション 『THR Session』


ヤマハは、iPhone / iPod touch 対応iOSアプリケーションとして、『THR Session』の提供を開始。App Storeから無料でダウンロードすることができる。 『THR Session』は、新コンセプトギターアンプ「THR10」「THR5」と共に使うことで、ギター練習のスタイルを大きく変えるアプリケーション。iPhoneのライブラリに入れている曲のギター練習に便利なギターキャンセル機能や曲のテンポやピッチの変更、A-Bリピート機能など、ギタリストが必要とするあらゆる機能を搭載している。もちろん「THR10」「THR5」を持っていなくてもiPhone / iPod touchのスピーカやヘッドフォーンでの使用も可能。

クラシックギターで奏でるヘヴィ・メタル「ナイロン・メイデン」


ヘヴィ・メタル界の王者ことアイアン・メイデンの名曲をクラシック・ギターでカヴァー! YouTubeの動画再生回数は150万回を突破し話題となったオランダ人ギタリスト、トーマス・ズァイスンによるアイアン・メイデンのトリビュート・アルバム『NYLON MAIDEN(ナイロン・メイデン)』の日本盤が3月27日(水)に発売。

トーマス・ズァイスンは、元アイアン・メイデンのブレイズ・ベイリー(vo)の最新アルバム『THE KING OF METAL』にリード・ギタリスト、コンポーザー、共同プロデューサーとして参加し、さらにそのヨーロッパ・ツアーにもギタリストとして帯同、今後の活躍が大いに期待されるギタリスト。

アイアン・メイデンのメタリックでヘヴィかつアグレッシヴな部分と、クラシック・ギターならではの美しくリリカルな表現や特殊奏法を縦横無尽に駆使し、芸術性すらも兼ね備えた素晴らしい作品へと仕上がった『ナイロン・メイデン』。曲によってはヴァイオリン、ベース、ドラムなどのゲストが参加しており、ブレイズ・ベイリーも1曲ゲスト参加。流石の歌声を披露しています! また、日本盤には、アイアン・メイデン初期の名盤『アイアン・メイデン』がほこる超名曲「PHANTOM OF THE OPERA」と「RUN TO THE HILLS」がボーナス・トラックとして収録!
見たことがないギタリストはは必見ですよ!

2013年3月25日月曜日

ギタリストにおススメのAudioBus対応アプリ パート1

先日GarageBandがAudioBusに対応したことでiOSのオーディオアプリが大変盛り上がっています。もともとiOSはオーディオ系には強いプラットホームでしたからこれからもさらに面白いアプリが期待できると思います。
これからDTMをモバイル環境ではじめようとしている人はiOSのほうが宜しいかと思います。Androidディバイスは楽器として使った際にレイテンシが大きく発生してしまい楽器アプリやDTMには向かないので要注意です。

ギタリストにおススメのAudioBus対応のアプリを紹介します。


iPhoneやiPad用のギターアンプシミュレーターです。iPhone/iPadにギターを繋ぐとアンプ・モデリングの技術によりスタジオ・グレードのギター・エフェクト・プロセッサーを得られます。ギター及びベース用に開発された、iOSアンプ&マルチ・エフェクト・アプリ。6種類のアンプ・モデル、16種類のエフェクトを搭載しており、アーティストやユーザーが作成したプリセットをインターネット上でシェアできるサービス“Tone Sharing”機能、長時間のループ・タイムややり直し機能、自動クオンタイズなどが可能なループ・ステーション、iTunes内の楽曲を再生しながら演奏できるジャム・プレイヤー、チューナー、メトロノームなどが内蔵されている。


これらのようなギターアンプシミュレーターはAudioBusに対応していない時はレコーディング時、他の録音機材やパソコンが必要でしたが、 AudioBusに対応したことによりAudioBus対応のDAW例えばGarageBandなどがあればAmpliTubeやJamUp Pro XTのスタジオグレードの音を1台のiPhoneでレコーディングが出来る様になりました。凄いことです。

2013年3月24日日曜日

iReal b 「第7回 ギターとあわせて練習するときの便利機能」

GarageBandが先日Audiobusに対応するアプリになりましたが、iReal bもAudiobus対応を望みます。iReal bの伴奏でThumbJamを弾いてGarageBandに録音。考えただけでゾクゾクしますね。この組み合わせはios上でギタリストがDTMをするベストな組み合わせのひとつだと思います。iReal bを制作販売するTechnimo LLCさんよろしくご対応をお願いします。

今回はiReal bを伴奏にギターとあわせるときの便利機能を紹介します。
iReal bを伴奏にアドリブパートを練習するときはバックのピアノ音はコード感を出す重要なパートになりますが、ギターでコードのカッティングやバッキングをするときはピアノの音が邪魔に鳴るときがあります。

そういう時はスコア画面下の青丸♫再生ボタンをタップしプレイヤー画面にします。

現代クラシック・ギター奏法の父 アンドレス・セゴビア


1893年スペイン南部アンダルシア地方でアンドレス・セゴビア(Andrés Segovia)は生まれました。セゴビアが生まれてまもなく家族はグラナダへ移り幼少時代はグラナダで過ごしていたようです。幼いころからギターの演奏を得意としていたセゴビア少年はグラナダ音楽院に行きギターを学べるようお願いしたところギターは音楽家志望者が演奏する楽器とは認められてはいなくジプシーたちが演奏する楽器とのレッテルがあり音楽院にはギターの知識と教養を持った教授は独りも居なかったそうです。セゴビア少年はそんな厳しい現実から目を背けることなく独学でギターを修めようと心に誓ったそうです。彼はこの出来事がきっかけでギターをピアノやヴァイオリンと同じような地位に引き上げようと思ったのかもしれません。
セゴビアが10歳前後の時代はフランシスコ・タレガが当時の巨匠でタレガがグラナダに演奏旅行に来ることを心待ちにしていましたがタレガは不幸にも亡くなってしまい目標とするギタリストがいなくなったセゴビアはたったひとりでピアノやヴァイオリンとギターを比較しながら他の楽器に負けない演奏と技巧を発見しようとしていました。

セゴビアは14歳のときにグラナダでコンサートを行いそれ以後はヨーロッパ各地そして南米での演奏旅行に尽力します。1924年パリで行ったコンサートが大成功をおさめ当時の音楽評論家は「セゴビアが音楽公衆のためにギターを発見した」と絶賛。
セゴビアの名声はヨーロッパ各地に広まっていきまいした。それと同時にセゴビアはギターで演奏できる曲の少なさをさとりビゥエラやリュートに書かれた曲をギター用に編曲したり、他の楽器の演奏曲もギター用に編曲をしてレパートリーを充実させていきました。そんな素晴らしいセゴビアの演奏にインスパイアされた当時の作曲家たちはこぞってギター曲を書き始めたそうです。

ミスタージャズギター「ウェス・モンゴメリー」


ウェス・モンゴメリーは1923年インディアナ州インディアナポリスに生まれました。
ジャズギター史を考えるとチャーリー・クリスチャンと双璧をなすジャズギターの革命的演奏者です。20世紀を代表するギタリストでありながらギターを弾き始めたのは18歳と遅くチャーリー・クリスチャンのプレイを見よう見真似でコピーし独学でプロの道までテクニックを磨いたそうです。やはり才能のあるプレイヤーは違いますね。ウェス・モンゴメリー独特のピックを使わないで親指で演奏スタイルもこのころから始めていたそうです、親指を使った理由は大きな音をだして周りに迷惑をかけないよう周りへの気遣いだったそうです。
ウェス・モンゴメリーは働きながら地元のバンドで活動したあと'48年から2年間ライオネル・ハンプトン楽団で演奏し始めてのレコーディングも体験している。
ウェス・モンゴメリーにチャンスが訪れたのはジャズアルト・サックス奏者キャノンボール・アダレイが彼の演奏を聴いてリバーサイドレコードに推薦したことからサクセスストーリーが始まります。30歳半ばで制作された「インクレディブル・ジャズ・ギター」が当時としては信じられないようなテクニックを披露しジャズギター界に大きな衝撃とウェス・モンゴメリーに名声とジャズギタリストとしての確固たる地位を与えました。