2013年9月16日月曜日

元祖グルーヴマシン「ReBirth for iPad」が簡単にトラックメイクが出来て使いやすくて最高!



1997年にWindows/Mac用ソフトウェアとしてPropellerhead社から発売されたテクノマイクロコンポーザーReBrith RB-338が、2010年11月9日ReBirth for iPadとして復活しました。既にiPhoneで発売されていますが、iPad版はiPadの為に作られた新しいReBirthになっています。アプリ版では、パターンEDIT機能の追加、改造インターフェース「MODS」パッチ搭載、Auidobus&MIDIシンク対応となっています。

ReBirth for iPad




■機能/サウンドを忠実に再現した音源部
音源部はベース音源『TB-303』が2基、アナログドラムマシン『TR-808』、アナログ+PCMドラムマシン『TR-909』が1基ずつ搭載されており、外観や打ち込み方法、内蔵機能、EDIT時のサウンドなどを忠実に再現しています。


 TB-303はオシレーターに、ノコギリ/矩形波の波形2つと、TUNE、CUTOFF、RESO、ENV.MOD、DECAY、ACCENTのパラメータ6つがあり、打ち込みでは16ステップシーケンサーを使って1ステップずつ、ノートとアクセント、スライドを指定して入力します。実機の303と比較すると、音の太さやハリなどは控え気味ですが、フィルターやモジュレーション、スライド表現などはうまく再現されています。
TB-303は、元々が安価な機材な為、音符・休符を指定して音階を1ステップずつ入力する仕組みとなっています。 ちなみに、TB-303の前にカシオからVL-1(通称:ワンキーボード)というキーボードが発売されており、シーケンサーの入力がほぼ一緒でした。ただ、カシオだけあってキーボードに割り振られた数字と演算記号を使って、「電卓」として使えた点にスピリットを感じます。 そんなTB-303ですが、もともとの用途(ベーシストの替わり)ではなくテクノ用途なら、偶然出来るフレーズを楽しむのも一つの使い方。フィーリングで音を打ち込んで、カットオフやレゾナンスをグリグリ回すだけで十分遊べます。


TR-808は、PCM波形ベースで実機と同じ16種類の音源を持っており、音色EDITも実機と同じくキックとスネア、シンバル、オープンハットにトーン/チューン/ディケイ/スナッピーなどが搭載されています。打ち込み時は右のロータリーノブで各パートを指定してステップ内をタップする実機と同じ仕様です。


TR-909は、実機では金物系とクラップはPCM波形で、これ以外はアナログのハイブリッド仕様ですが、ここでは11音源全てがPCM波形です。音色パラメータの構造やステップボタンの2段階でのアクセント機能&フラム機能なども実機と同様です。

TR-808、TR-909のグリッド入力は音楽の知識が無くても何となく打ち込めてしまうスグレモノで、音符の位置とUIが絶妙な関係になっています。

■エフェクト

エフェクトは、ディストーション/フィルター/ディレイ/コンプの4種類を搭載しており、各音源のミキサー内でセンドするタイプです。  ディストーションのパラメータはAMOUNTとSHAPEの2種類ですが、ドイツのテクノユニット「Hardfloor」のようなハードな歪みが得られます。PCFは、エンベロープ・フィルターでロー/パイパス設定とフリケンシー/レゾナンス/アマウント/ディケイの仕様でプリセットも保存可能です。  ちなみにこの時代は、エンベロープ・フィルターを使ったパーカッシブなフィルターサウンドが流行していたので、このタイプが搭載されていました。  ディレイはモノラルで、タイム/フィードバック/パン設定などがあります。タイムはステップ式(1~32)で、通常/3連の設定が可能です。このステップは1~4の16/8/4分/付点が基本で、以降の5~8、9~12は2拍目、3拍目といったビートに設定できる仕様です。  コンプはレシオ/スレッショルド設定のみで、各音源のミキサー内でオン/オフ設定できるほか、マスターにも使用できます。レベルを超えると歪むのでリミッターとして使用するのが最適だと思います。

■EDIT

各音源で登録できるパターンは、8×4バンク(A~D)計32個です。パターンEDIT機能では、パターンのコピー&ペースト以外に、パソコン版に無かったパターンの自動作成、トランスポーズ機能(TB-303)、拍移動などが行なえます。  ソング作成は、各音源のパターンを切り替えてリアルタイム録音する面倒なタイプですが、小節指定で修正しながら組み立てることも可能です。当時、画期的だったオートメーション機能では、ソングモードのレコーディング時に各音源やエフェクター、ミキサーなどの各パラメータを直接動かして記録することができます。

簡単にフレーズを作る方法が、パターンエディットモードの右側にある「PATTN EDIT」ボタン。これをタップすると、各インスト毎の独立パターンエディットメニューが表示されます。これは、PC版には無かった画期的な機能です。 シーケンサーでドラムを再生しながら、TB-303のRandomizeカテゴリのPATTERNをタップすれば、ランダムにパターンが作成されます。隣のACCENTS ETCはアクセントやスライドがランダムで埋め込まれます。PITCHESは、ランダムな音階が埋め込まれます。 そして憎いことに左側のパターンはアクセス可能となっているので、パターン選択、パターン編集・組み替えがこの画面だけで出来てしまうスグレモノ!

■SONG

こうして作ったパターンを、SONGにならべて一曲作るわけですが、iPad版はPATTN BANKSのおかげで、どのReBirthよりも効率よく作業を進めることが出来ます。赤いRECボタンを押して、BAR(小節)単位に、パターンをタップして、次のBAR切り替えてへ並べて行くだけ。バンク全体を見通せるこの仕様はiPad版だけの特権です。ソングモードでは、ノブやスライダーの動きを記録することが出来ます。操作は簡単でRECボタンを押してからPLAYボタンを押して、パターン演奏に合わせて各インストのノブや、ミキサー・エフェクターのノブ・スライダーを操作するだけです。単調だったパターン演奏にノリや表情を付ける事が出来ます。


iPad版は起動時にMy Songs画面が表示されるようになりました。この画面は、ソングの読み込みの画面というよりはReBirthのマネジメント画面にあたる物で、編集画面に行かずにソングのプレビューが出来たり、ソングファイルの管理、新規ソングの作成と、Propellerhead社のサイトアカウントを利用したソング・MP3ファイル共有することが出来ます。ファイルの共有は、専用のURLが発行されそのURLを公開することでファイルを共有する仕組みになっています。ファイル共有を利用して、PC版、iPhone版、iPad版相互にデータの引き継ぎが出来る様になっています。 こうして、共有したソングデータをMy Songs画面でプレビュー出来る所がiPad版は便利だと感じました。

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