9月に発表が予想されるアップルの新型iPhone（写真は「iPhone 5」）
9月に発表が予想されるアップルの新型iPhone。米国のニュースサイト「International Business Times」や経済誌「Forbes」など海外メディアは、9月に新型iPhoneが発売されると相次いで報道しており、日本では9月20日にソフトバンクモバイルとau（KDDI）の2社から発売される可能性が高いと日経新聞電子版が8月21日に報じている。ネット上には、新型iPhoneのプロトタイプとされる写真が無数に掲載されており、いやが上にも期待が高まっている。
9月発表の主な根拠であるが、アップルは2007年の初代iPhoneの発表から、毎年1回はiPhoneのアップデートを実施してきたこと、現行の「iPhone 5」が昨年2012年9月12日に発表されたこと、今年6月に開催された開発者向けイベントで発表された新OS「iOS 7」の提供時期が今秋であることなどから、まず間違いないものと思われる。本記事では、そんな新型iPhoneに関する噂をまとめてみた。
Leaked Gold/Champagne iPhone 5S Housing Versus Blue iPhone 5C
「iPhone 5S」と「iPhone 5C」の2モデルが登場？
新型iPhoneでは、現行の「iPhone 5」の後継機種となる「iPhone 5S」（通称）と、廉価版の「iPhone 5C」（通称）の2つのモデルの発売が噂されている。 新型iPhoneとされるネット上の複数の写真を見ると、「iPhone 5S」は、「iPhone 5」のデザインを踏襲し、外装に金属とガラスを使ったボディとなっており、純粋な後継機種と推測される。トピックスは、現行のホワイト＆シルバーとブラック＆スレートの2色のカラーに加え、新色の「ゴールド」が追加されること。ホワイト＆シルバーの銀色の部分が金色となり、高級感がアップした見た目となっている。 機能面では、プロセッサーとカメラが強化されるほか、ホームボタンに指紋センサーが内蔵されると見られている。指紋センサーの内蔵は、早くから噂されていたものだが、今回は有力視するメディアが多い。もしも内蔵されれば、安全性が高まり、法人市場から歓迎されるはずだ。このほか、近距離無線通信技術「NFC」やIEEE802.11ac（ドラフト）をサポートするという予測もあるが、すでに競合製品には搭載されており、目新しさには欠ける。仕様に関しては大きなサプライズはなく、順当な機能強化に留まりそうだ。一部台湾メディアが報じるように、シャープの「IGZOディスプレイ」が採用されれば、インパクトはあるが、噂としての数が少なく、信ぴょう性はそれほど高くない。
iPhone 5Sの噂（◎確実、○可能性大、△可能性低い）
・新色のゴールドが追加…◎
・プロセッサーはクロック数がアップした「A7チップ」…○
・LEDフラッシュの数が1つから2つに増加…◎
・IGZOディスプレイの採用で解像度アップ…△
・画面サイズが4インチから4.3インチに大型化…△
・TD-LTEに対応…○
・128GBモデルが追加…○
いっぽうの「iPhone 5C」は、iPhone初の廉価モデルということで注目度が高い。中国などの新興国市場向けと見られ、価格は一番安価な機種で300～400ドル程度になると推測されている。外装にプラスチックの一種であるポリカーボネートを使うことで、コストを大幅に削減しているのが特徴だ。また、コストカットのために、「iPhone 5S」にある一部機能が省かれるという噂もある。具体的には、指紋センサーや音声アシスト機能「Siri」などが搭載されない見込みだ。
「iPhone 5C」の一番の特徴はカラーバリエーション。現行の「iPod touch」のような複数のカラーの写真がネット上に出回っていることから、豊富なカラーバリエーションが用意されると見られる。なお、東京・秋葉原のショップには、「iPhone 5C」と見られる端末のモックアップが入荷している。モデル名末尾の「C」は、カラー（Color）の頭文字「C」、中国市場に特化したものとしてチャイナ（China）の「C」、同社のティム・クックCEOの「C」という推測もある。 ただし、廉価モデルは、旧型機種（iPhone 4やiPhone 4S）を最新機種と併売することで、そのニーズを満たしてきたことから、存在しないという見方もある。
iPhone 5Cの噂（◎確実、○可能性大、△可能性低い）
・イエロー、ピンク、ホワイト、ブルー、グリーンの5色展開…◎
・ポリカーボネート素材を使った新デザイン…◎
・Siriは非搭載…△
・プロセッサーは「iPhone 5」と同じ「A6チップ」…○
・そもそもないのでは…△
価格.comの「iPhone 5」のクチコミを見ると、新型iPhoneに関するコメントが多数寄せられている。なかでもLTEの800MHz帯への対応がどうなるのかに注目している人が多かった。もしも、800MHz帯に対応すれば、主力帯域が800MHz帯のauがソフトバンクモバイルに対して、通信エリアの面で有利になる。そうなれば、買い替えを検討するという意見もあった。もちろん、新型iPhoneがTD-LTEをサポートすれば、TD-LTEを推進するソフトバンクモバイルがその恩恵を受けられる。国内でiPhoneを取り扱う2社の戦略にも注目したい。 もうひとつ、NTTドコモがiPhoneを取り扱うかどうかも目が離せない。国内大手メディアの論調では、少なくとも今年9月のタイミングでNTTドコモから新型iPhoneが発売されることはないとする意見が大勢を占めている。ただし、まったく発売されないかというとそうでもなく、一部、NTTドコモはiPhone発売の準備ができているという記事も目にする。ただ、ユーザー側の反応は比較的静かで、何度も報道されているNTTドコモ版iPhoneに関して、「今度も出ない」と静観している人が多いようだ。
新型iPhoneはいつ買える？
もうひとつ気になるのは発売のタイミングだ。米国のデジタル関連ニュースサイト「AllThings D」は、アップルが2013年9月10日にiPhone関連のスペシャルイベントを開催すると報じている。現行の「iPhone 5」は、2012年9月12日に発表され、翌週の金曜日である9月21日に発売された。歴代iPhoneの発売日を調べると、金曜日に発売されるケースが多く、前述の通り、今回の9月20日の金曜日発売の可能性は低くなさそうだ。ただ、台湾メディアは、IGZOディスプレイの供給が追いつかずに、「iPhone 5S」の発売が年末にずれ込む可能性があると報じている。さらに、「iPhone 5S」と「iPhone 5C」を同時に発売するのか、ずらすのかでも発売日は変わってきそうだ。発売日の本命は9月20日だが、9月末から10月という予測もある。発売日については、端末の仕様よりも予測が難しい状況だ。
歴代iPhoneの発表日と発売日
発表日と 発売日（米国）
iPhone 2007年1月9日 2007年6月29日（金曜日）
iPhone 3G 2008年6月9日 2008年7月11日（金曜日）
iPhone 3GS 2009年6月9日 2009年6月19日（金曜日）
iPhone 4 2010年6月7日 2010年6月24日（木曜日）
iPhone 4S 2011年10月5日 2011年10月14日（金曜日）
iPhone 5 2012年9月12日 2012年9月21日（金曜日）
これだけ多くの噂があることから、9月にアップルから何らかの発表がある可能性は高い。ただし、どれも噂でアップルの正式な発表ではないことも事実だ。どんな新型iPhoneが登場するのか今から正式発表が待ち遠しい。
■情報元：価格ドットコム
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